雨田甘夏、降参です。

Kさんって意外と、お料理上手なんですね。 お野菜とか普通にトントントントンって切れるんですね。 甘夏がやって来るまでは趣味がお料理だったっていうのも、あながち嘘じゃないみたいですね。 それなら甘夏は、お料理係はお譲りしますよ。 結局おふたりが食べてるごはんなんかよりも、カリカリのほうが100倍おい... 続きをみる

雨田甘夏、川の字です。

お休みの日っていいですね。 昼下がりには、ぼけっとごろっとやりましょう。 甘夏がテーブルの上で、Kさんがソファの上で、シンさんが床の上で。 家族みーんな揃って昼寝しましょう。 シンさんは毎日寝すぎですから別に一緒に寝なくてもいいんですけど、Kさんはお昼寝をしない人なので、お休みの日ぐらいゴロゴロし... 続きをみる

雨田甘夏、余裕です。

甘夏は、Kさんと毎日かくれんぼをします。 だるまさんがころんだとおにごっこもします。 毎日やっているのに、Kさんはどれも下手くそです。 甘夏と目目が合ったのに「あれー、甘夏くんどーこー？」と探し続けますし、甘夏に追いかけられたらKさんは、すぐに捕まっちゃうほど足が遅いのですから。 そして一向に上手... 続きをみる

雨田甘夏、うっかりです。

Kさん、にゃんこタワーよりも高い場所があったんですよ。 それは窓の桟なのですけれども、お外のひんやりした空気が感じられるところといい、甘夏の体がすっぽり収まる感じといい、最高なんですよ。 なんで今まで甘夏、気づかなかったんでしょうか。 Kさん、甘夏すごくないですか？ やっぱ見晴らしいいですね。 で... 続きをみる

雨田甘夏、フンガフンガです。

Kさんいつも、甘夏の鼻を拭いてくれてありがとうです。 甘夏はほんとはお顔のお手入れとかクソ喰らえなのですが、Kさんがやってくれるからしょうがなく付き合っています。 え？ Kさんもお鼻変な感じですか？ もぞもぞしてくしゃみとか出ますか？ 柔らかくて細かい毛が目目に入ることがあるんですか？ だから空気... 続きをみる

雨田甘夏、栞です。

甘夏は、Kさんがご本を読んでたらそりゃ一緒に読みたくなりますよ。 甘夏は、Kさんのそばにいったらそりゃすりすりしてあわよくばねんねしちゃいたくなりますよ。 だってなんていうかKさんの手手には中毒性がありますよ、正直な話。 でもだからってKさん、甘夏がついうっかりウトウトしちゃうからといって、甘夏を... 続きをみる

雨田甘夏、新米です。

あれ？ なんだかいつもと違う匂いしません？ なんだか甘いっていうか、みずみずしいっていうか、生命力たっぷりな匂いしません？ Kさん今晩、何膳ご飯食べますか？ そんなにお代わりして大丈夫ですか？ おデブになりますよ。 ってか今日おかず少なくないですか？ さっきからご飯ばっかじゃないですか。 まあ、そ... 続きをみる

雨田甘夏、ギロチンです。

今日からKさんがお爪切りしてくれることになったんですか？ 大丈夫ですかできますか？ 甘夏をバスタオルでくるんでからの抱っこ作戦ですか？ ほんとに大丈夫ですかできますか？ Kさんがそんなに緊張していたら、甘夏だってビビっちゃうじゃないですか。 猫足の握り方は優しくてバッチリだともいますから、お願いで... 続きをみる

雨田甘夏、新任です。

Kさん甘夏のために、食洗機を買ってくれましたか？ 甘夏は喜んで、食洗機係に立候補したいともいます。 食洗機っていいですよね。 雨降りみたいな音がして、ほんのりあったかくて、シンクに時折ビジャーッと流れ出てくるお湯を見てると惚れ惚れします。 ずっと見ていたいのですけれど、眠くなっちゃうところもまた、... 続きをみる

雨田甘夏、ビクビクです。

甘夏にとって３階は、おせんたを干すためだけの場所じゃありません。 お片づけのできないシンさんが、ものを何でも運んで積み上げていますから、甘夏にとって３階は、アドベンチャーワールドでもあるのです。 スタッとジャンプしてズルッとズルッとかき分けて、ジャピャッともぐってじーっと眺めて。 あまりにもお片づ... 続きをみる

雨田甘夏、ドスンです。

「最近甘夏くんうるさいよ」ってそれ、本気で言ってます？ Kさんたちのほうが100倍うるさいですよ。 「そんなんじゃ野性には戻れないね」ってそれ、本気で言ってます？ 甘夏は戻るもなにも、雨田家から出て行くつもりなんて、ありませんよ。 甘夏はずっと、おふたりと一緒に暮らしていくつもりだったのですけどな... 続きをみる

雨田甘夏、臭いです。

Kさんなに食べました？ おせんべい系食べました？ Kさんなに飲みました？ アサヒスーパードライ飲みましたね？ 甘夏、Kさんのことは好きですけれど、臭いの嫌いなんですよ。 晩ご飯はこれからだっていうのに、もうそんなに食べちゃったらおデブになりますよ。 晩ご飯作りながらの一杯がたまらんというその感覚は... 続きをみる

雨田甘夏、切ないです。

何ですか、この匂い。 清々しいような、物悲しいような。 これが秋の匂いなんですかね。 お空はすきっと晴れていますね。 なのにこの、甘いようなすっぱいような、心を掻き回されそうなこの匂いは何なんですかね。 金木犀っていうんですか、Kさん。 あのお隣の、背の高いあの木から匂ってくるのですね。 いつまで... 続きをみる

雨田甘夏、表情です。

笑うのが、苦手です。 甘夏だって、笑いたくなる気持ちはわかるんですよ。 ヤッホーラッキー！ とか、ちょウケるんですけど、とかのときに、甘夏だって笑ってみたいって気持ちにはなるんですよ。 でも、なんかうまくできないんですよね。 別に恥ずかしいとかじゃないんですけど甘夏、そういうところが器用じゃないん... 続きをみる

雨田甘夏、食っちゃ寝です。

Kさんいったい何個ベッド買うんですか？ ねこ破産しますよ。 いくら甘夏が寝てばっかだっていったって、これじゃお部屋中寝床だらけじゃないですか。 甘夏が好きなのは、わりと硬めでひんやりタイプなのですが。 テーブルねんねKさんの手手あご乗せとか、寝室のフローリングねんねスリッパあご乗せとか、玄関の石タ... 続きをみる

雨田甘夏、あだ名です。

「にゃんすけさん」って誰ですか。 「猫吉っつぁん」って何ですか。 普通「甘くん」とか「夏っちゃん」とか呼びません？ まぁ、「にゃんすけさん」とか「猫吉っつぁん」に該当するのがこの家では甘夏しかいないともって、つい甘夏も反応しちゃうのですが、「にゃんすけさん」も「猫吉っつぁん」も、結局ねこなら全員O... 続きをみる

雨田甘夏、嫉妬です。

ねぇKさん、にゃんこ病院の待合室で、隣に座ったわんにゃんにとりあえず「可愛い❤️っ」って言うの、やめてもらえますか？ どんなにかわいいのかともって甘夏もとりあえずそいつを見てみますけど、大体は別に大したことないわけですよ。 そんで次はそいつのご主人様が甘夏のことを「おたくも可愛い❤️っ」って言うわ... 続きをみる

雨田甘夏、おんなじです。

Kさんはなんと、ドライヤーが嫌いです。 甘夏もです。 Kさんはなんと、お歯磨きが嫌いです。 甘夏もです。 Kさんはなんと、お爪切りが嫌いです。 甘夏もです。 Kさんはなんと、雨の日が嫌いじゃありません。 甘夏もです。 Kさんはよく、あくびをします。 甘夏もです。 Kさんはとても、鼻が効きます。 甘... 続きをみる

雨田甘夏、独占です。

今夜は結構、シンさんお帰り遅いみたいですね。 だったらもちょっと甘えててもいいですよね。 だってすんごく眠いんですもの。 そしてKさんの手手がちょうどよい高さで硬さで、いい匂いなんですもの。 左の手手の甲が甘夏の左のほっぺの下にあって、右の手手の平が甘夏の後頭部を支えていて。 なんて心地がいいんで... 続きをみる

雨田甘夏、快調です。

こんにちは先生、甘夏はもう鼻水も治まってきましたけれども、せっかくなんで、体重だけ量ってください。 何キロですか？ おっと3キロ超えましたか。 甘夏ももう、大人の仲間入りってことですね。 じゃあ帰りますね。 って何するんですか。 お爪切り抱っこはあの看護師さんと決めてるんですよ。 先生が抱っこしち... 続きをみる

雨田甘夏、助手席です。

ドライブっていいですね。 最近甘夏、ドライブ好きですよ。 行き先がにゃんこ病院だと分かっていても、甘夏は喜んでキャリーにぴょんこと入ります。 Kさんが運転していて甘夏はKさんの助手なのですからね。 甘夏は、キャリーの隙間から流れるお外の景色を見るのです。 やっぱりちょと揺れますけれど、ぴったりフィ... 続きをみる

雨田甘夏、オロオロです。

おっとこりゃまた懐かしいお写真ですね。 甘夏が雨田家に来た日のやつですよね。 Kさんもシンさんも嬉しそうですね。 甘夏はすんごく小っさいですね。 どうしたんですか、Kさん？ どうして目目に涙溜めていますか？ あくびしましたか？ Kさんもご飯食べてると涙出るたちですか？ ってことはなんか食べたんです... 続きをみる

雨田甘夏、差別です。

甘夏がお昼寝をしていると、「いっぱいお昼寝できて偉いねぇ」と褒められます。 シンさんがお昼寝をしていると、「ねぇいつまで寝てんの？」と起こされます。 甘夏がご飯を食べていると、「いっぱいご飯食べて偉いねぇ」と褒められます。 シンさんがご飯を食べていると、「ちょっとネギこぼさないでよ」とお皿を下げら... 続きをみる

雨田甘夏、駄々っ子です。

Kさん、やっぱ会社行きますか？ 甘夏はとっても嫌なんですけど。 なんだか今日は、踏ん切りがつかないんですけど。 だからっていつもは踏ん切りがついてるわけじゃないんですけど。 だからKさんの足に絡まりついてますけど。 え？ このまま会社行きます？ それめっちゃ嬉しんですけど。 甘夏、頑張りますよ。 ... 続きをみる

雨田甘夏、高級です。

甘夏は、光り物がだいすきです。 アジとか鯖とかバッグの金具が大好きです。 Kさんバッグの金具はなんと、壁までキラキラにします。 なので甘夏は、このキラキラをKさんにプレゼントしてあげたいのですが、これがなかなか甘夏の手に収まってくれないのです。 それくらい、貴重なお品ということなのですね、きっと。

雨田甘夏、過保護です。

Kさん甘夏は、たぶん自分で降りられますよ。 Kさん甘夏は、たぶん今度こそトントンって降りられますよ。 この前みたいにずべーっと滑り落ちたりなんかしませんよ。 別に怖くなかったですよ。 別にそこまで痛くなかったですよ。 怪我とかしたわけじゃないですからね。 だって甘夏、ねこですよ。 ここまで自分で登... 続きをみる

雨田甘夏、豪華です。

Kさん、シンさんにも毎日お弁当を作っているのですね。 シンさんは自分のお弁当箱だって洗ったことないのにですか？ 甘夏は、自分のお皿くらい自分で洗いたいですよ。 何ならKさんのお皿だって洗ってあげたいですよ。 Kさん、シンさんのお弁当は、たいていふりかけご飯にするのですね。 「黙って白飯食ってろ」と... 続きをみる

雨田甘夏、もう秋です。

なんだか朝晩涼しいですね。 明け方なんか、寒いくらいですね。 いい匂いがしますね。 芳ばしい、どこかにゃんこの肉球にも似た匂いがしますね。 だけどちょっぴり寂しい匂いですね。 最近またカリカリが美味しいですね。 Kさん、口紅変えました？

雨田甘夏、仕事です。

そろそろお皿洗いも甘夏に任せてくれませんか？ いつもいつも見学だけじゃ、つまらないですよ。 甘夏は、肉球が濡れても尻尾がちょとくらい濡れても嫌じゃないですよ。 ほらKさん、ちゃんとにゃんこ用洗剤も準備してるじゃないですか。 甘夏は別に、お皿洗いをサボってお水遊びをしちゃおうなんてもってるわけじゃな... 続きをみる

雨田甘夏、てっぺんです。

生きとし生けるもの、やっぱり頂点を目指すべきだともいます。 おうちににゃんこタワーがあるのなら、そのいちばん上に立たないと、意味がないともいます。 足場が意外と狭くても、いちばん上が意外と高くても、よじ登らなきゃねこじゃないともいます。 だから甘夏は、ほら見てくださいKさん、ここにいますよ。 この... 続きをみる